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#01
  • WorkPath CEO広瀬 郁

誰もが気軽に空間を把握し、形にできる世界へ。

このサービスを開発しようと思った
きっかけは何ですか?

現在Zホールディングスやヤフー株式会社のCEOを務める川邊健太郎さんから声がけいただき、2014年にヤフー本社のオフィス刷新のコンペに参画したことは、ひとつのきっかけです。当時、僕はホテル・飲食店、そして図書館など様々な施設のプロデュースを行っていましたが、オフィス空間の提案はこの時が初めてでした。しかも、僕を含めても社員数名の会社が大手のオフィス機器メーカーに混じって、いきなり数十億円規模のプランの提案を行うことになったのです。ワークプレイス全体のコンセプトなどに関してはその後のヤフー本社に通じる提案ができたと思います。役割分担を経て結果的に僕らは、役員フロアの企画・設計を担当することになりました。

初めてオフィスの刷新に携わって、
どう感じましたか?

正直、驚きの連続でした。原状復帰や家具の廃棄など非合理に思えることにかなりのコスト負担が発生していましたし、プロジェクトの進め方も非効率な部分が多く、ワークプレイスの刷新は大いに改善の余地がある領域だなと感じました。そのことは、ヤフーの後にご相談をいただいた大手広告代理店の役員フロアの刷新プロジェクトの時も感じましたね。そして、こうした課題や状況を打破したいという思いが、Work Pathという会社の設立につながっていったのです。

具体的には、
どのような課題を感じたのですか?

まず、最も感じたのは、クライアント側が建築に関する知識が乏しいがために、自分たちで主導権を持って進められていないということ。通常、オフィスの引越しや刷新は総務が担当することになると思うのですが、総務の中で設計図面を見て一目で理解できるような方はほとんどいません。さらに、短期間に何度も引越しを担当することもないために経験値も増えず、総務の方にとっては負担の大きな仕事になっていると思います。加えて、ビルは不動産会社、インテリアは設計事務所、家具はオフィス家具メーカーといった具合に専門分野ごとにプレーヤーが異なるため、情報を共有するだけでも一苦労です。クライアント視点でワークプレイスの活用を一緒に考えることができるワンストップのパートナーが圧倒的に足りないと感じましたね。そして、何より、ワークプレイスに関する様々なデータが整理もされず、どこにも蓄積されていない。これはクライアントだけでなく、業界全体にとっても大きな損失なのではと思いました。

そうした様々な課題を、
どのように解決しようと考えたのですか?

Work Pathの設立に至るまでには、数多くのありがたい出会いがありました。大手広告代理店の刷新プロジェクトを機に心強い味方になってくれたのが、FM(ファシリティ・マネジメント)のプロである金(キム)英範さん。出会った当時から国内外の総務やワークプレイスに関する様々な情報をインプットしてもらっています。その後、デジタルアーキテクトやBIMなどの専門家へのヒアリングを重ねながら、クライアントにどのようサービスを提供することができるかを一つずつ考えていきました。そして、サービスの根幹を担うエンジン「codetta」の開発を応援してくれるエンジニアや、昔からよく知っている建築業界の仲間たちが僕の取り組みに興味を示してくれて、徐々に現在の「バーチャルの3D空間にあらゆるデータを連動させ、かつ蓄積していくことで、誰でも簡単にワークプレイスのマネジメントができる」というサービスの骨格ができていきました。

 

ワークプレイスに関する様々なデータが整理もされず、どこにも蓄積されていない

今後の事業の展望を
教えていただけますか?

総務の人たちの中で、「codetta」がワークプレイスに関する課題を一緒に解決してくれるサポーターや御用聞きのような存在として広まっていってほしいですね。そして、たとえば都市部にある1フロア100坪以上のビルのワークプレイスの多種多様なデータが「codetta」に蓄積されることによって、ソリューションの精度が高まり、提案の幅も広がって、ますます総務の方のお役に立てるような未来を思い描いています。また、僕らが目指しているのは、業界全体の底上げです。リアルの世界でクライアントの理想のワークプレイスを具現化してくれる家具メーカーや施工会社、サービス運営会社との協業も増やしていきたいと考えています。そして、最終的にはWork Pathがミッションとして掲げている「空間をデータで解放する」ことで、誰もが気軽に空間を把握し、形にきる世界を実現していきたいですね。

  • WorkPath CEO 広瀬 郁

    東京理科大・横浜国立大学大学院修了。
    外資系のコンサルティング会社・不動産ベンチャー会社で勤務後、独立。
    クリエイティブとビジネスのブリッジングを得意とし、 様々な新規事業にプロジェクトデザイナーとして携わる。新たな仕組み・仕掛けのデザインが必要とされる領域で多岐にわたるプロジェクトを推進中。